海岸
毎日通っているが、海岸を歩くのは久し振りだ。直接生物を見ることがなくても、スナガニの穴や鳥の足跡などの痕跡を見るだけでも楽しい。
一色町の海岸は、防波堤の上を狭いながらも車が走ることができるので、生活道路になっている。ここは千生新田の海岸で、一色町では一番東の海岸である。
西の実録や小藪の海岸は例年のごとく「バンド」と呼ばれるアオサで覆われ、夏の暑さで腐っているのでとても臭い。ここの海岸は海流や風の関係か、アオサはほとんど打ち寄せられていない。
全長30cm以上あるボラの死骸が転がっていた、かなり腐敗しかけているがトビたちにはごちそうであろう。早く見つけなければ潮が満ちてしまう。
これはウニの殻のようだが球形ではなくて少しいびつな形をしている。
我々がよく見たり食べたりするバフンウニ、ムラサキウニ、アカウニなどのほぼ球形をしているウニを正形類というのに対し、この写真のようないびつな形のものを不正形類と呼ぶらしい。正形類のウニには生きている時には下側の中央に口があり、その形からaristortle's lantern(アリストテレスの提灯)と呼ばれ歯で囓るように海藻などを食べる。不正形類のウニにはそれがないという。
この不正形類のウニには不思議なことにとても面白い標準和名がついたものが多い。タコノマクラ、オカメブンブク、ヒラタブンブク、オオブンブク(ブンブクとはブンブクチャガマということ)スカシカシパン、ハスノハカシパンなどなど。
この名前は、明治の初期、東京大学三崎臨海実験場の採集人青木熊吉さんが名付け親だという。とてもユーモアがありロマンチストだったと推察される。彼についてはオキナエビスなどのエピソードもあるようなので、興味のある方は調べて欲しい。
落ちていた殻は少し身が付いて臭かったので持ってこなかった。
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