くりさんの水産雑学コラム100
水産高校とか水産学部とか水産関係の学校へ行くと、水産全般のことを良く知っていると思われるから、すべて深く知る必要はないけど一応素人さんの質問には答えられるようにしておきなさい、と言われたのはうん十年前。
その頃水産をおおざっぱに分ければ漁業、製造、増殖と分けられた。漁業は当然船の操船や漁具漁法を、製造は魚介類の加工であるからほとんど物理、化学の世界、増殖では水産生物の増養殖つまり生物学と言っても良い。
実のところ、このような多岐に渡るお勉強はできるはずもなく、今では専門の増養殖の質問でも答えることができなくなってしまった。
ネット仲間のくりさんこと栗原伸夫さんがネット上に書きためた「水産雑学コラム」を単行本として出版した。http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/
一ヶ月に一話ずつアップして足かけ9年かかったことになる。
最初に述べたように、水産全般だけでなく時には芸術や地方文化江戸時代の風俗などを織り交ぜて一話一話が素晴らしい内容になっている。水産の関係者が読んでも、関係ない方が読んでも本当に面白く勉強になる。
もちろん、現役時代に蓄えた知識を少しずつ出してきたところもあろうがほとんどは一話ずつご自分の足でこつこつと集めた内容である。その情熱には頭が下がる、さぞかし現役時代のお仕事も素晴らしいものであったと推測される。このような仕事は、推論の上に推論を重ねるということを一番してはならない。こつこつと地道に仕事を積み重ねていく、くりさんの姿が見えるようだ。
くりさんとはfishmlというメーリングリストを通じて知り合うことが出来た、そして1999年10月にそのオフ会で初めてお会いすることが出来、その後も奥様を交えたりして何度もお会いしたが、いつもご自分が経験されたことや目撃した面白いお話をしてくれる。そう、くりさんこそ【ミスター水産】という称号を送っても良い人だと思っている。
いつまでもお元気で我々後輩を導いて下さい。
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