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2006年9月23日 (土)

Kuzu1 暑い間は葉の下に隠れるように咲いていたクズも、秋の色が濃くなってくるとともに、その姿を誇るようにあちこちから顔を出している。確かに臙脂色と言って良いのだろうか、赤紫の色とフジの花を立てたような姿はとてもきれいである。クズは秋の七草の一つであり、春の七草と違って食べられる草が少ない中で(薬用としてはいろいろあるようだが)唯一、食べることができる植物と言えよう。

もっとも、食べるといっても根をすりつぶして乾燥させてくず粉を作るのであって、葉や茎を食べるわけではない。奈良県の吉野葛が昔から上質なものが採れることで有名である。

Kuzu2 以前、私のホームページでも少し触れたが、私の故郷遠州掛川は、そのくず粉ではなく茎などから作った「葛布」が有名である。江戸時代にはかなり地場産業として栄えたらしいが、今は作る所も少なくなっているという。

藤沢周平さんの短編「玄鳥」にこのように書いてある所がある。

【三人はその日、掛川の宿に入るとはばきも取らずに連雀町に直行して、そこに雁金屋という目ざす葛布の卸問屋があるのをたしかめた。】おそらくこの雁金屋という葛布の卸問屋はないが、連雀町という町は今もある。

Kuzu3 クズはマメ科の植物であるから、当然豆らしい種が房状になっている。これが食べられると行った話は聞いたことがない。

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