蝉しぐれ
朝日ビジュアルシリーズ「週刊 藤沢周平の世界」の創刊号「蝉しぐれ」が出た。ビジュアルと書いてあるから、当然写真や絵が中心で、小説の山場が紹介されたり、背景が描かれている。当然、藤沢周平さんの言葉や原稿なども披露されている。
『蝉しぐれ』は近年、NHKテレビで牧文四郎を内野聖陽さん、ふくを水野真紀さんが演じており。昨年の映画では市川染五郎さんと木村佳乃さんが演じている。私には全く縁がないが、宝塚でも演じられたと、この雑誌では紹介されている。
物語はかなり有名なので、知っている方が多いだろうが、東北の小藩、海坂藩の下級藩士の息子(養子である)牧文四郎の淡い恋と、お家騒動に絡む物語、と言って良いのだろうか。かなり、波瀾万丈の半生と言っても良い。
テレビや映画でかなり感動的に撮られていた、切腹後の父、牧助左衛門を大八車に乗せて坂道を上るシーン、小説では道場の友人杉内道蔵も手伝ってくれたものであるが、映像では二人だけの方がより感動的と判断されたものだろう。
しかし、このような小説の解説書のような、週刊誌が売り出されるということが、私には不思議で、それだけの魅力が藤沢周平さんとその作品にある、ということだろう。
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