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2006年12月11日 (月)

武士の一分

どんなに素晴らしいストーリーでも、殺陣や剣の振りが下手くそならその映画は失敗だというのが、時代劇の難しさでもあるのだが、木村拓哉さんの木刀や剣の振り、殺陣はお見事であった。

Businoitibun 『武士の一分』は前にも述べたように、藤沢周平さんの短編集『隠し剣秋風抄』に収録される、『盲目剣谺(こだま)返し』が原作となっている。ストーリーは毒味役中に貝毒に当たって盲目になった若き藩士が、武士の一分のために上司を切るという物語で、それ自体は単純とも言えるストーリーである。

昨年公開された、『蝉しぐれ』では長編なので、割愛されたところが多く、ダイジェスト版のようだ、という声もあったが、今回の原作は短すぎて、しかも、同じ山田洋次監督の【たそがれ清兵衛】【隠し剣鬼の爪】は2~3話の短編を原作にしているのに対し、今回は一話だけなので、どのように作られるのか興味があった。

映画の出だしから、登場人物の性格付けのようなものがあり、木村さん扮する三村新之丞がややおしゃべりすぎるのではないか、と思ったが物語が進むうちに気にならなくなった。妻の加世役の檀れいさんは実に気品ある美しさで、惚れてしまった。映画を観るといつもそうだ・・・・・

ストーリーは細かい違いはあれ、ほぼ原作に忠実であり違和感は全くない。ただ、【武士の一分】という言葉が、全体で(当然後半だが)4回も出てきて少しくどいように思えた。武士の一分は全体の流れで、充分に我々が理解できるものなのだ。

ラストシーンは涙のシーンだが、これはどこがどうとは言えないが原作の微妙な文章の方が泣ける。ぜひ両方を見くらべていただきたい。
Businoitibun2 映画館は同年代の夫婦でいっぱい、「こらこら、そこのおっさん、したり顔で奥さんに解説なんかするんじゃないよ」

映画は静かに淡々と観るものなのだ。

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コメント

藤沢周平、良いですね~。もっともっと読みたい本です。以前書き込みました佐伯泰英の居眠り磐音とうとう今発刊されている19巻すべて読みきり間近となりました。ズ~ッと読みましたがなかなか面白かったです・・・・しかし藤沢周平の方が奥深いような気がします、男と女の心のふれあいと言うか言葉に表せないけど・・・。

投稿: 北割H  | 2006年12月11日 (月) 22時20分

檀れいさんは宝塚の清純派女優出身。
まさに山田監督の好みですね。

加世は質素な材料でも美味しいお料理を作るのですよね。ハイ美味しいお料理を作れる女房は
家庭円満の秘訣ですわね。

まだ映画見てませんがキムタクの演技は評判
良いですね。興行収入も凄いらしいですよ。

投稿: 秀子 | 2006年12月11日 (月) 22時36分

加世が作る料理がある意味「キーワード」のようになっていますよね。
原作では「蕨たたき」でしたが映画では「芋がら煮」でした。

ハッピーエンドなので安心してみていられます。

投稿: からっぽ親父 | 2006年12月12日 (火) 07時19分

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