ウルメイワシ・2
三重県の志摩地方では、初夏から初秋にかけて、ウルメイワシが名物になっていると言っても大げさではない。
学生時代に食べたウルメイワシの刺身も美味しかったが、何かひと味足らないと思っていたのが、志摩に来て解消できた。それは、「塩味」。
志摩でのウルメイワシの食べ方は、丸のままのウルメを塩漬けにすることから始まる、塩で完全に締めてしまうのである。魚屋さんでもこうして売られているが、生のままならビニール袋にウルメと塩を入れ、よく振って混ぜ合わせ、そのまま締めておく。時間は魚の大きさによって変えればよい。
今回のウルメイワシは10cm以上あったし、仕事も忙しかったので結果的に6時間ほど漬けておいた。
塩を洗っていると、締めすぎたかな?とも思ったが開いてみると、まだ柔らかくちょうどよい感じであった。締めすぎると、開くときに固く感じる。今回驚いたのは、ウルメイワシの腹腔に大量の脂肪が存在したこと、開いていると指が脂でネトネトになった。
さて、これを志摩ではどうやって食べていたかというと、生酢の中にたっぷりのおろし生姜を入れ、開いたウルメイワシをその中にその酢に付けながら食べていた。もちろん、短時間つけ込んでも美味しい。
今回のウルメイワシ、身にも上品に脂がのっていてとても美味しかった。マイワシのように皮下に脂が層をなしているのと違って、本当に全身にまんべんなくのっている感じ。癖もないし、本当に美味しかった。
今回のウルメイワシの前処理は、以前岡山のMさんにいただいた【ままかり】にも応用してみたが、やはり美味しかった。塩である程度締まるので、手開きも綺麗にできるのが嬉しい。
| 固定リンク | 0
コメント
魚に塩をし、酢に漬けるというのは美味しいですね。
酢の付け具合は人によりで、姑は酢で殺したらいかん(酢が効きすぎたらいけない)といって、なましいのを好みます。
それは室戸の新鮮なものしか食べてないからだと思います。
投稿: こびんす | 2006年12月 1日 (金) 11時43分
私も巣で洗っただけくらいのものも好きです。
酒飲みは、時間が長いので食べながら調節できて、幸せですね。
実のところ、この時期にウルメの生を調理したのは初めてで、こんなに美味いものかと感激しています。
こびんすさんの、高知県。
K2さんの千葉県ならきっと手に入りますから、挑戦してください。
投稿: からっぽ親父 | 2006年12月 1日 (金) 15時12分
あ~ それは惜しかった。先日お刺身用として
売ってるイワシを、え?刺身とはと思い焼き魚に。
塩をして酢ですね。やってみますッ。
そういえば大分の奥のほうにイワシまるごとの
甘いお寿司があったのを思い出しました。
一度買いに行った時、土間にお砂糖が積んであったこと、よく覚えてます。もうないかなあ。
投稿: おーちゃん(chiba) | 2006年12月 1日 (金) 19時44分
マイワシのよく脂がのったものは、二杯酢に紅葉おろしとアサツキをたっぷり入れたものに合うと思います。
志摩のもう一つの名物、【てこねずし】は地元の方が作ると、とにかく甘い。砂糖を減らすとケチだと思われるからだそうです。田舎では、砂糖が貴重なころ、年に何回もないご馳走(たいていふるまっていたはずですから)に砂糖を奮発してみえを張ったのかもしれませんね。
投稿: からっぽ親父 | 2006年12月 1日 (金) 21時09分
さぞかしおいしいんでしょうね。
是非試してみます。勉強になりました。
ありごとう^^
投稿: 花 | 2006年12月 2日 (土) 15時46分
花さん、いっらしゃいませ。
漁港が近くて、魚が豊富なところにお住まいでしたらぜひ挑戦してみてください。
イワシ類はEPA、DHAが豊富ですから、体にも良いと思います。
投稿: からっぽ親父 | 2006年12月 4日 (月) 04時43分