テングダイ
ちょっと高いと思ったがテングダイを購入、延髄の所を切ってあって、まだ胸鰭あたりがビリビリと痙攣しているので、新鮮さを買ったということか。
テングダイは以前も刺身で食べたことがあるが、おろしやすくとても美味しいさかなだという印象だった。
三枚におろしているときに、まだ筋肉の痙攣が指に伝わってきて、この感覚はちょっと気色悪い。
きれいな白身で血合いが全くと言っていいほどない。背鰭の基部のいわゆるエンガワ部分がとても多く楽しみである。
作業を終わってから、腕に鱗が一枚付いていたので、顕微鏡で覗いてみることにした。
櫛鱗というやつか、黒い部分が体の外に出ている部分で、白い部分が鱗が重なっている部分。櫛鱗というだけあって、櫛のような棘が密生している。
白い部分に年輪のような輪が沢山見えるが、これを数えると年齢が分かるという。しかし、これ全てが年輪ではないだろう、ちょっと多すぎる。
こういったものも専門家でないと本当のことは分からないものだと思う。
刺身にするには、エンガワの部分を取って薄造りにした。身がとても固いので、薄造りにするのは簡単。皿が透けて見えるほど、薄く切ることができた。
食べてみて気が付いたのだが、この刺身は薄く切らないと噛みきれないくらい固い。特に筋の部分が固く感じるので、できるだけ薄く切った方がよい。
味はもちろん、最高。油はほとんどのっていないが、身にしっかり味がある。エンガワの部分も少し脂がのって良い食感であった。
(写真は三分の一程度、右がエンガワ)
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コメント
極薄作りですね~、これに映える器も良いものを揃えてますね、お見事です。
投稿: 北割 | 2008年5月23日 (金) 21時13分
身の質がしっかりしていたので、薄造りはつくりやすかったです。
ある程度の大きさのテングダイは滅多に出ないので、久しぶりの挑戦でした。
器は何年か前の、土岐か多治見『美濃焼祭り』で購入したもので、かなり安物です。
投稿: からっぽ親父 | 2008年5月24日 (土) 07時00分
本当においしそうですね。
ところで鱗の拡大図は初めて見ました。専門以外の事は知らない事だらけで、好奇心が刺激されます。
少し前にスピードスケートの選手のウエアに細かい棘を付けると空気抵抗が低減してスピードが増すというのがありましたが、それも確かサメの皮膚の構造をヒントにしたような記憶があります。
鱗の棘の意味はどのように説明されているんでしょうね。
投稿: 越後屋久三郎 | 2008年5月24日 (土) 09時48分
越後屋さん、おはようございます。
私も魚の鱗のことはよく分かりませんが、おそらく色々な秘密が隠されているのでしょうね。テングダイなどは素早く泳ぐことが、あまり必要ない魚ですが、マグロやカツオなどでは皮膚の構造から、筋肉の組成まで全てが早く泳ぐだけのために出来ていると思われます。想像ですが。
ところで、この顕微鏡写真、どうやって撮ったか分かりますか?
実は接眼レンズにカメラ付き携帯電話を押しつけて撮ったものです。
それをパソコンに添付ファイルで送って、ここに貼り付けたもので、USBで取り込めばもっと良いものが取り込めるかもしれません。
投稿: からっぽ親父 | 2008年5月25日 (日) 04時58分