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2009年3月 1日 (日)

山本周五郎

偶然ですが、山本周五郎さん原作の映画をDVDで二本観てしまいました。一本は「赤ひげ」もう一本は「その木戸を通って」。「赤ひげ」はご存知黒澤明監督の作品です。「その木戸を通って」は同じ題名の短編ですね。これは1993年、市川崑監督が撮った日本初めてのハイビジョンドラマだったそうですが、後に映画にされ国際映画祭に出されたのですが、日本での劇場公開はなくBSで一度公開されただけだったそうです。ではストーリー。
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没落してしまった名門の家を継ぐために、国元に帰ってきた平松正四郎の家に記憶喪失の娘が訪ねてくる。正四郎は現在まとまっている国家老の娘との縁談を壊すための陰謀ではないかと疑い、娘を雨の日に追いだしてしまう。

雨宿りしたお堂の庇の中で途方にくれる娘は目をつぶり「おかあさま、おかあさま」とむせび泣いている。そこへ、駕篭かきが現れちょっかいを掛けだしたので誤解と分かった正四郎が家に連れ戻す。

娘は「ふさ」と名付けられて上役や家来たちからも可愛がられ、正四郎も惚れてしまって妻にする。(出世話の縁談はとおに壊れている)

「ゆか」という娘が産まれて、何度かふさの記憶が戻りそうな兆候はあったのだが、ある日突然ふさはゆかも置いてどこかへ行ってしまう。

ふさのおぼろげな記憶に、・・・笹の道を通って・・・・そこに木戸があって・・・・と思い出すのだが、ついに木戸を通ってしまった、ということなんでしょうね。

映画では原作にはないシーン、つまりゆかの祝言の日から始まります。つまりふさは帰ってこない、来なかったという設定なのですが、原作では正四郎が、良人もいてゆかもいる、みんなおまえを待っている、と希望的な終わり方であるのが大きな違いです。私としては原作の終わり方の方が好きですが、映像的には映画の終わり方の方がまとまるのでしょうか。

映画では正四郎は足かけ四年の生活があったために自分の人生は「ほどほどに幸せだった」とつぶやきます。きれいな思い出だけでしょうからね~、もちろん映像もとてもきれいでしたよ。

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コメント

おぢちゃん、うぃ~す

黒澤 明監督は他にも山本周五郎の原作を映画化してます。
椿三十郎は「日日平安」がモデルです。

黒澤映画は白黒の作品の方が出来が良いです。
カラーで撮るようになった作品はつまらない。

最近、黒澤映画のリメイク版がよく製作されてますが、もう止めて欲しいです。

織田裕二の椿三十郎は、まだオリジナルに近かったが、隠し砦の三悪人なんて見るも無残。
オリジナルの影なんて、吹っ飛んじゃって人工衛星になってますわ。

お願いだから、もうこれ以上黒澤映画を壊さないで欲しいですわ。

投稿: 無精者 | 2009年3月 2日 (月) 09時15分

確かに時代劇にはセンスと幅広い知識が必要なので、いい加減な人に監督をやってもらいたくないですね。

椿三十郎の原作はまだ読んでいませんので、早速読んでみましょう。なにしろ、山本周五郎さんの文庫本は沢山あって、まだ半分も読んでいません。
いろいろな名作があって、映画やテレビで放映されていますね。
「五辧の椿」なんか、何回映画やテレビ、舞台で演じられたんでしょうか?久しぶりに読んでみます。

投稿: からっぽ親父 | 2009年3月 3日 (火) 14時33分

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