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2009年5月 6日 (水)

ホヤの続き

ナマコを初めて食べた人は勇気がいっただろう、と言うが、ホヤも初めて食べる人は勇気がいったか、余程の変人だったと思う。食用にしているのは主にマボヤだが、地方によってはシロボヤを食べるところもあるらしく、志摩の船越というところでは真珠養殖の篭に付着したシロボヤを食べるときいた。
Hoya もっとも私の友人のその船越の方は、ナマコも焼いて食べていたから、郷土食なのかご自分の趣味なのかよく分からない。

韓国でもホヤは食べられていて、ソウルのホテルでバイキング形式の昼食をとったときに「焼きホヤ」が出ていた。焼いたホヤを皮ごと放射状に切ってあった。もちろん皮は食べられない。韓国の方は「ホヤを食べるのは韓国が起源ニダ」と言うかもしれない。束草(そくちょう)とう北の町に行ったときに、ホヤを養殖しているという話を聞いた。

日本では東北以外ではあまり食べられていなくて、手にも入りにくい。近海で潜ってもマボヤを見たことは一度もない。ただ東北へ行くと比較的浅いところでも、大きなマボヤを見ることができるという。

もちろん日本でも養殖しているということだが、どのように種苗を確保するのか興味があったので調べてみた。

種苗の確保には天然採苗と人工採苗があり、天然採苗では産卵期である冬期、採苗器を漁場に吊るし翌年秋、マボヤが1cmになったら採苗器をロープに挟み込んで養殖するとのこと。

人工採苗ではこの採苗器に付着するまでのマボヤの成長を水槽内で飼育して、付着器に付けるというものらしく、産卵、受精させた卵を確保(受精卵の直径が470ミクロンというからかなり大きい)水温14度で31時間で孵化し、オタマジャクシ幼生となって浮遊する。受精後48時間で幼生の尾部吸収ということだから、着生生活が始まるのだろう。

浮遊幼生の期間も短いし、その間餌を与えることもないのでアワビの種苗生産に似ているかもしれない。もっともアワビはその後、付着珪藻を食べるので管理が難しいわけだが。

まあ素人が勝手なことをいっているだけなので、ホヤ関係の方でお気を悪くされる方があったら先にお詫びしておく。

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コメント

北海道(東部)のホヤは、乳首が2つ。
肉色は、オレンジ。
味は、最高!!
漬けて2日目くらいの塩辛も、美味しいですね。
エゾホヤって、いうのかな?

投稿: ばんどり | 2009年5月 7日 (木) 08時38分

ばんどりさん、いらっしゃいませ~。

そうなんですよね、北国の方が肉がきれいなんですよね。こちらではきれいなもので、薄い黄色。実はこの中にほとんど茶色のものもありました。ですから、こちたのものは商品価値は落ちるでしょうね。

北海道のやつもマボヤだと思いますよ。
塩辛は本当に美味しい、一度作ってみるかなぁ~。

投稿: からっぽ親父 | 2009年5月 7日 (木) 13時49分

釜山では カゴにどっさり入って転がってましたで。この世にこんな美味いもんがあったとは・・・
ちなみに、一応 言うておきますけど、赤い人は ホヤを生姜醤油で食すのが好き! おぢちゃん!
赤い人は 生姜醤油で ホヤ食うのが好き!赤い人は~~~~~~~~

投稿: 赤い人 | 2009年5月 7日 (木) 22時12分

このお写真は生姜醤油ですか~?
ところで恥ずかしながらホヤを食べた記憶がないんです。一度でいいから食べてみたい

投稿: 越後屋久三郎 | 2009年5月 7日 (木) 22時52分

私は学位論文の研究でホヤなどの付着動物を扱いました。マボヤは扱ったことはありませんが、ユーレイでもシロでも産卵誘発は簡単なはずです。

餌を食わない浮遊幼生が、昼間、物陰に付着するような習性を持っていて、それにあわせた時間に産卵、孵化のスケジュールを守っていました。うまくできています。

貝類では夜明けの明るさが産卵刺激になることが多いようです(ヒオウギがたしかそのような)。しかし、私が調べたユーレイボヤ(今は名前が変わったらしい)は(イシサンゴなどと同じく)日没の暗闇が引き金となりましたので、明るく保ってから暗くして、好きな時間に産卵させることができました。暗闇刺激は短い時間でOKなので皆既日食でも産卵誘発が起こるかもしれないと思っています。

マボヤが同じかどうか知りませんが、毎日少しずつ産卵を繰り返す、という性質がホヤ類の養殖には重宝すると思います。ロープなどに幼生が付着するのはホヤでもミドリイガイなどでも同じで、種苗生産面で養殖技術は単純です。

投稿: beachmollusc | 2009年5月 8日 (金) 07時02分

赤い人さん
ショウガ醤油で食べるとは珍しいですね。
私は酢醤油です。


越後屋さん
食べるチャンスがなかったんですね。
この写真は柑橘酢と醤油だけです。
一色の市場で時々出ていますから、お楽しみに。
魚屋さんにお願いしておけば落としてくれるかもしれませんね。

投稿: からっぽ親父 | 2009年5月 9日 (土) 13時14分

MYMY先生

産卵誘発はヒオウギの場合干出だけでやってました。結構確率が良かったです。島蛇さんはどのようにしているのでしょうか?コメント欄は見てないからなぁ・・・・・

アコヤガイは切開で絞り出して行いましたね。

アワビは紫外線照射海水を使いましたが、何で産卵誘発できるのか、今頃になって疑問に思えてきました。

マボヤが付着するまで摂餌しないって事と、付着以降は親と一緒のお食事方法だということで、しかも産卵誘発が比較的コントロールできるなら、この辺でも養殖が出来るのかもしれませんね。

水温の問題はあるでしょうが。

投稿: からっぽ親父 | 2009年5月 9日 (土) 13時21分

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