越前宰相 秀康
とても面白い本を読みました。『越前宰相 秀康』 作者は、梓澤 要さんという女性の方だそうです。申し訳ない、世間知らずなので、今回初めて作品を読みました。
秀康さんといえば、いったいどの姓がふさわしいかと考えると、私の場合はやはり『結城秀康』さんですね。
徳川家康の二男に産れながら、歴史の波に弄ばれて、本人の考えとは全く違った生き方をしなければなかった、歴史上の人物といったところでしょうか。
母、万は家康の正妻、築山殿の付き人で、家康の手がついて妊娠した際、手酷いリンチを加えて・・・・・というのが従来の出生の経緯だったのですが、この本では築山殿とは比較的仲が良く、しかし受胎したのが双子ではないかと確信した万が、武家では畜生腹といって子供を処分されてしまうので、家康を恐れ、逃げて出産したということになっています。
双子の一人は、万の実家、智鯉鮒神社に預けられ、神官になるという設定で、この説は昔からあるようです。
産れてからも、3年間は家康に認められることもなく、それを認めさせたのが、兄信康だというんですから、確かに家康に疎まれていたのかもしれません。
家康の子として産れ、秀吉の元に養子に出され、次は結城家へ押しやられ、秀吉の死後実の父により、松平と名乗るよう命じられた、秀康、どの父が本当の父親だったと思えたのでしょうか・・・・・・
若くして亡くなった事により、美化されがちですが、事実非常に優秀な戦国武士だったようです。死因は梅毒だったそうで、この時期日本で爆発的に流行したようです。加藤清正なども罹っていたそうですね。
若死にはしましたが、越前以外にも、松江など子孫は繁栄したようですね。
さて、この本のプロローグ、高野山にある歴史上の人物の墓について書かれていますが、全て読んでしまいエピローグが終わると、もう一度プロローグを読むことになります。
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