続・感染性心内膜炎
母が感染性心内膜炎で入院してから、一か月弱で無事退院しました。いえ、無事というのは当てはまらないかもしれません。
心臓内部の感染は、毎日投与される抗菌剤で何とか抑えることができるようですが、感染源が特定されて治療しなければ、またいつ何時同じ事が起こるかもしれません。
感染性心内膜炎は、歯の治療などにより菌が血管中に入り、心臓で増殖感染巣を作る病気です。
母は歯が丈夫だけが自慢な人で、91歳まで全て自分の歯で食べ物を噛んできました。従って、今回の発症前に歯を治療したり抜いたことはありませんでしたが、念のためということで調べてみると、5本の歯が悪くそこから感染しているという疑いが強くなりました。
結果は兄に伝えられ、抜歯治療して病気の根源を断つと伝えたところ「わしゃ~(私は)充分生きたから、歯を抜くくらいなら死んでもいい」と言ったそうです。世間では「80 20運動(はちまるにまるうんどう)」と言って、80歳になっても20本の自分の歯を確保して、健康に暮らそうと言っているのに、91歳で全て自分の歯を保っていたことは、誇りでもあり、無くすことによる喪失感ってのも大きいのかもしれません。
しかし、「死ぬことは誰にも平等に起こることだから、仕方ないが、治療を受けることにより治る病気は寿命ではないし、その時に死んでしまわなければ、また多くの人に迷惑をかける」と兄が説得して、抜歯させたそうです。
約一ヶ月の入院で、かなり精神的に参ってしまったようですが、少しでも穏やかな通常の生活に戻ってくれるとありがたいのですが。
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