今年の桜も終了
鐘ヶ淵の隠宅に住む老剣客、秋山小兵衛を刀屋の嶋屋孫助が訪ねる。
時候の挨拶の後、酒が用意され小兵衛が
「わしも、あと幾度、桜花(はな)を見ることが出来るかなあ」と言うと
嶋屋
「大先生は、おいくつになられました?」
小兵衛
「六十をこえたことは、たしかじゃよ」
そして、私はその時の小兵衛の歳をはるかに超えてしまい、本当にあと何回桜が見られるのだろうかと、考えながら朝の徘徊の出掛けていった。
火曜日の嵐のような雨風で、桜はもうとっくにお終い。亀城公園の池に落ちた桜の花びらが、花筏になっているかと覗いてみたが、下に落ちた花びらは木にある時よりも更に寿命が短いので、あっという間に変質、変色してしまっている。
ところで、桜は蕾から開花そして葉桜まで楽しませてくれる。いや晩秋の紅葉も実に美しい。そして花が散った後の、蘂の赤さも又きれいなものだ。今朝は、そんな桜を楽しんできた。
物語では、小兵衛は長生きし、後添えのお春の方が先に亡くなってしまった。と作者の池波正太郎さんは、折に触れて書いていたが、残念ながらそこまでの小兵衛達の物語はない、池波さんが亡くなってしまったからだ。実に残念、もっともっと長生きされて、小兵衛も梅安も鬼平もその活躍を描いて欲しかったのに・・・・・
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