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2024年5月27日 (月)

テンタクラリアの続き

和歌山産鰹にもテンタクラリアの寄生が見られた。腹筋の見えるところに、15匹ほどだろうか?あまり深いところや、背中にまでは到達していない。腹腔の中の内臓周りにも寄生しているものも見たことはない。某水産生物関係で有名なサイトでは、テンタクラリアが寄生している鰹の方が美味しいと、引用しているがこれは因果関係は全くないと思われる。漁師さんや魚屋さんが、イメージが落ちないように発した言葉だと思う。テンタクラリアが鰹の身質を良くする物質を出すとも思えないし、食欲を増して成長が良くなるようなこともないだろう。寄生虫というものは、殆どの場合宿主に悪影響を与えるはずだし、それが中間宿主でもプラスに影響することはないのではないだろうか。二枚貝に寄生する、カクレガニ=ピンノが寄生した貝は痩せてしまっている。
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子供の頃に母親が言っていた、「この虫(テンタクラリアなんて名前は当然知らない)が生きていれば、その鰹は新鮮だ」という言葉も、鰹の鮮度の劣化よりテンタクラリアの寿命の方がずっと長いから、あまり当てにはならない。
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私のように掘って出してしまえば、寿命は短くなるだろうが、筋肉中にじっとしていれば鰹が腐る寸前まで生きているのではないだろうか。

試しに数尾出してみたが、実によく動く。鰹の筋肉中で、移動しているかどうかは不明だが、あまり移動する意味はないと思われる。
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サメに食べられて、最終宿主に移動した後、どのように変化して、どの部位に寄生するのか、全く分からないが実に興味深い。
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まな板の上に置いておくと、良く匍匐して動き角のようなものが見える。皆様もぜひ寄生虫の不思議を観察していただきたい。

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