土用丑・2
8月5日は夏の土用・・・丑の日2回目です。
先日のウナギの資源不足を解消する為の良い方法第三弾は、もちろんシラスウナギを人工的に生産することで、これは既に色々な研究団体や企業で成功していますし、完全養殖と言って、人工的に作ったシラスウナギを大きくして、採苗に成功した研究機関、民間企業があちこちにあるようで、非常に明るい展望と言えます。
ここで一番問題となってくるのが、1尾のシラスウナギを生産するコストですね。昨年今年では養殖業者が仕入れたシラスウナギの価格は1尾当たり500円~600円だと思われます。少なくとも、養殖業者の手に渡るときはこれ以下でなければいけません。
ざっとあちこちの記事を読み返してみると、人工採苗での1尾当たりのコストで一番安い値段が書かれていたのが1800円でした。
しかしこれって、土地や施設費の償却や人件費を含んでいるのでしょうか、餌は鶏卵を主成分として与える事が出来ると言っていますが、摂餌の様子を見てみるとかなり飼育水が汚れて水質悪化に繋がるような気がします。そして、2時間おきに給餌するとも書いてありますが、これってかなりの労働力が必要ですよね。水質が悪化すれば、換水が必要ですが、稚魚の飼育って単に飼育水を換えているだけでは済まない汚れもあります。もちろん、頭の良い方がやっていることですから、画期的な方法があるのでしょう。
しかし、これはどこの記事にも出ていないのですが、採卵から商品であるシラスウナギまで達する時間が書いてないのです。天然の鰻では耳石にある日輪を数えると180日ほど掛かっているそうですが、果たしてこれより長いのか短いのか?初期の頃では1年くらい掛かっていたそうですね。
と申しますのも、シラスウナギである鰻種苗は毎年必要な訳です。もし1年掛かっていたら翌年のシラスウナギを飼育するために、別の施設を使用しなければいけません。施設を洗ったり、消毒したりする時間がかなり必要だと思われます。場合によっては、二つの施設で産卵期が違う二つのレプトケファルスを飼育しなければいけないかもしれません。
後はもしコストがかなり安く出来たとして、天然シラスウナギとの価格の折り合いですね。天然のシラスウナギが豊漁で、人工採苗のシラスウナギより安くなる可能性もありますし、その出来上がる季節も問題があります。もし真夏にシラスウナギが出来上がってしまえば、今の養殖技術では夏の土用丑までに、成鰻となって需要期に鰻がないという事も考えられます。
また民間企業が大量にシラスウナギを生産してしまえば、その企業が鰻養殖を始めてしまいますから、今の養鰻業者には何のメリットもないという事になります。これは消費者にとってはありがたいことでしょうね。
さてどうなりますかね~~~。
| 固定リンク | 2
コメント