侍タイムスリッパー
この映画をはぜひ観なければと思っていたのですが、メジャーな映画ではないので私がいつも行くTOHOシネマズでは上映されないだろうと思っていました。調べてみても上映の予定がなく、仕方ないので「侍タイムスリッパー>愛知県>上映館」で検索をかけると、なんと我が家から歩いて5分の例のパチンコ屋(パチンコ屋はもう営業していません)5階で上映することが判明。
封切りから3日目に行ってきました、この映画館はもちろんネット予約などない所で、切符もありません。受付でお金を払い、ロビーで待っていると上映5分前に入場のお知らせ、もちろん席の予約なんぞありません。座席数は100くらいでしょうか。
以前も何回も来ていますが、この映画館はインディーズ映画が得意なところでしてね、時々大手映画館ではやってくれない秀作を上映してくれますので、目を離してはいけません。
映画は実に面白い映画でした、皆さん近くで上映されていたら、ぜひご覧ください。
幕末の江戸時代から雷の衝撃で現代にタイムスリップした侍の、衝撃と心の葛藤、実に上手く表現されていますが、主人公の侍、高坂新左衛門の所作姿勢が実に素晴らしい、形が侍そのものです。主演は山口馬木也さん、その昔テレビの剣客商売で藤田まことさんが小兵衛を演じたときの、二代目大二郎役の方です。
確かに、今の世の中では時代劇は絶滅危惧種、子供や若い方々だけではなく、ある程度の年配者でも、言葉も所作の意味も分からない方が多いと思います。しかし、その一つ一つの礼儀と意味が分かってくると時代劇ってものは実に素晴らしいものだと分かってくると思いますね。
簡単な一例ですが、他家に入ったら大刀は腰から外して、右手に持つ。座敷で対峙するときは、大刀は右横に置く。これは右手で刀を抜くために、相手に敵意がないことを示すものです。
圧巻は最後の殺陣ですね、いつも私が言っているように、殺陣とは相手の刀を狙うものではなく体を狙って、攻撃するものです。刀同士が打ち合うのは体を切られる相手の刀を避けるためやむを得ない場合なのです。
この映画の侍二人はあくまでも、侍の常識と倫理観で現代を生き抜いていました。この辺が『碁盤切り』とはるかに違うところでしたね。『碁盤切り』は現代の解釈と倫理観を江戸時代に持ち込んだものなので、違和感がいつまでも残ってしまい、もう一度見る気にはなりませんでした。(『碁盤切り』は早くもamazonプライムで無料配信しています)侍タイムスリッパーは何回でも観てみたい映画です。
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