けもの道
宮崎学さんが、半世紀前に野生動物の通り道に、自動カメラを取り付けて、今話題のツキノワグマや、ニホンザル、カモシカなど大型哺乳類から、テンやネズミなどの小動物まで、人間を意識しない野生動物の姿を捕らえた写真集を出してくれました。我々には衝撃的でしたが、自分の手で撮った写真ではないので色々な批判もあったようです。
その頃から、日本は野生動物の天下になって、人間がそれを気にしながら生きていかなければいけないと警鐘を鳴らしていました。警鐘と言っても、野生動物を排除しろと言っているのではありません。どうやって共生していくか、メディアや行政も住民達と一緒に考えなければいけない。と仰っているのです。
先日の秋田でのスーパーマーケット、ツキノワグマの立てこもり事件・・・これはあくまでも、人間側の目線です。ツキノワグマは別に立てこもろうとしたのではなく、何となく入ってしまったスーパーマーケットですが、人間が出口を塞いでしまっているので、出るに出られない。早い話が、ツキノワグマ監禁事件と言っても良いのではないでしょうか。
その後、ツキノワグマは捕獲され、殺処分されたそうですが、それに対する非難の電話が、山のように来たとか。一体どのような輩なんでしょうね、想像ですがこのスーパーマーケットは殆どの商品は今後売ることなく処分したと思われます、莫大な損害です。また消毒のための費用と、それにかかる日数、恐らく誰も保障してくれません、もし自然に帰したら、スーパーマーケットでパックに入った肉をたらふく食べて味を占めた、熊さん、また来ますよ。それでなくても、人間の生活圏に入り込んで、子供などを襲ったらどうするのでしょうね?非難の電話を架ける輩は、こういったことを考えているのでしょうか、野生動物が関わる色々な事象で、どのような被害や影響があるのか、一度よく考えてから電話をすると良いのですが、まあこういった方に何か言っても無駄でしょうね。
一番良いのは、熊の立てこもりがあった場合に、こういった電話を架ける方がまず、熊さんの説得に行くこと。次は捕らえられた熊を、こういった方が責任を持って飼育すること。
実際にはこういったことは出来ないし、許可はされない。しかし、その許可されないことを見透かして、電話をしているのだから始末に悪い。そして、電話を架けられた行政側も「じゃあ、あなたが家で飼ったら」とは絶対に言いませんからね。
サネカズラの観察に行ってきました。もうしっかり赤くなっていて、実に美しい。この写真は、一部の方への年賀状に使おうと思っています。
隣町の里山風・・・冬になって、かなりの草が枯れてくると目立つのが『けもの道』・・・だろうと思います。
矢竹が密集しているところですから、まるで穴が開いたように見えます。覗いてみると、奥まで同じ隙間が見えます。タヌキなのかキツネなのか、ここはかなり野生動物が生活の一部としているようで、大学の調査用のトレイルカメラがあちこちに置いてあります。
折しも、今年は西三河、岡崎・幸田で熊の目撃情報がニュースとなりました。先ほど宮崎さんにも伺ったのですが、西三河は豊田、新城から山が繋がった日本アルプスの、末端だからいつ熊が現れても不思議ではない、と仰っていました。
今、少し山間部へ行ってみれば、畑や田んぼは網や檻で囲わないと、作物が人間の口に入りません。獣害と言いますが、動物たちにしてみれば当たり前の生活行動、それに追い打ちを掛けるよう、外来の動物が蔓延ってくることでしょうね。
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